29歳現役おひとり様。

29年間のあれやこれや

変化。

そして、つい先日の3度目。






私は先に帰っていたのですが、向こうの仕事終わりに電話が来て飲みに行こうと。





いつものメンバーが都合がつかず、わたしたち2人になったんですね。






で、飲み行って大体仕事の話をしてるんですよ、真面目に。






あとくだらない話。






2人でいても随分気楽に話せるようになったなとぼんやり考えていた。





お互いお酒は好きなので、わりとのんだと思うけれどそんなに酔ってもいなかった。





くるとき少し弱くなっていた雨は、それでも相変わらず降っていた。





行きは別々だった傘を、帰り道は入れてもらった。


なんとなく、自然とそうなった。





なんのタイミングか忘れたけれど、普通に並んで歩いていたのがぎゅっと肩を抱かれ、そのままくっついて歩いていた。




後藤くんの家についたとき、


寄ってく?



ときかれた。






なんだか恥ずかしくて黙って頷いたわたしに、気まずそうにしないでよと笑っていた。








家に入ってしばらくはまた仕事の話をしていた。




ソファーに並んで座っていたが、前かがみで資料を見るわたしの後ろに寝転がった後藤くん。




なんでもないふりをしながら、髪を撫でられる度にとてもドキドキしていた。





ぎゅっと抱きつかれて、そのままわたしもソファーにごろんとする。






あったかいな、と思っているうちに2人とも眠っていた。






そしてふと目を覚ます午前3時。






変な体勢だったせいで、体が痛い。






「…ねてたね」






「…うん」









お互いぼんやりとしながら、ベッドに移動した。


この前まではなんだか照れ臭かったのに、今日は自然とくっついていってしまった。






そのままぎゅっとくっついて、手を繋いで眠った。




何度か寝返りを打ったり体勢を変えたりもしたが、ずっと手を繋いで寝ていた。





そして、明け方目が覚めてから、やはりそういうことは起きた。





でも、朝だしほぼ素面だしなんだかとても恥ずかしかった。




終わってから、しばらくダラダラして、起きて、ご飯を食べて、テレビや映画を見ながらダラダラとしていた。




くつろぎながらも、手をつないできたり、彼が私のお腹あたりにごろんと寝転がったりしていた。







誰かが側にいるっていいなあと思った。






基本的に、佐藤くんのときはくっつき始めると事がおきるような流れだったので、


別にそれが嫌だったわけではないが、




なんでもなくくっついているこの時間がなんとなく心地よかった。







しかし、



ふと疑問がよぎる。




この感じ、一体なんなのかと。







なんでもない人ともこんなことできちゃうなら、恋人の特別性ってなんなのかと。




逆に少しでも意識してくれてるのであれば、なにかしらのアクションがあるもんだろうと。







確かに、成人してからの恋愛は体の関係があり、なんとなく始めてしまった。というか、始まっちゃっていた。



それでも、始まるにあたり好きだとか意思表示はされていた。






そして、前回佐藤くんのときの学びとして、それがないとやはり始まらないんだと実感した。







だけれども。







家に帰ってからも、なんだか思い悩んでしまった。




そして、



なにより、




また一緒にいたいな



って、思ってしまった。






心地よかったあの時間を思い返して、思いをはせる私のこれが恋なのかどうか、それを悩んでいた。










そしてそんな中、


目を覚ますとラインがきていた。





無性に会いたくなるのはおれだけ?







って。



ああ、同じ気持ちなんだなと嬉しくて思春期みたいに悶えていたけど、





タイムリーに返せなかったし、結局この言葉をどのように受け止めていいのかも図れず、






私もだよとかかわいいことも返せず、言葉の意味を深追いすることもできず、





寝てたという事実のみを送った。







だって、また明日朝が来たら職場で会うんだ。





あー気まずくなるのかな、明日の朝には返事がきてるのかな、こなくてもいやだけど、はぐらかしたようになっちゃったからな、なんてくるのかな、





どうしようばかりで眠れなくなってしまった。









この後に及んでもまだ自分がどうしたいかも決定できていないんだもの。





でも、向こうがなにを、考えているのかは知りたい。







自分勝手なのだろうか。

そして2度目の。

そしてまたおなじみメンバーでの飲み。






この日はお互いとくに気まずさもなにもなく、帰宅後も何のやりとりもなかった。





ちなみにその翌日には、同じ予定があった。





仕事関係の講習会である。





講習会といっても、自主的なもので、勤務とはまったく関係のないものだった。






少し辺鄙なところに会場があったので、遅刻者が続出していた。





が、



待てども後藤くんはやってこない。






休憩中に携帯をみると、バスを乗り過ごしてもう間に合わないと。






お昼までの講習なので、資料を渡して説明がてらご飯をすることにした。





近所って便利だよなとしみじみ思った。







そして、元々真面目な人だなと思っていたけど、やっぱり真面目だなと再確認。





真剣に仕事の話をして、前回私がいなかった分の資料をコピーさせてもらって、解散した。





駅から私の家までいく途中に後藤くんの家がある。


コピーしたい資料をとりに立ち寄ったが、だからといってなにかおこるわけでもなく。






昨日の飲みからの、なにもない健全さがなんだかもはや誇らしかった。








その日の夜は友人宅で飲み会だったのだが、その途中で後藤くんから



ひまだったらこない?





とライン。






その場では断ったのだが、終わってからもう一度連絡をして、結局彼の家へと向かった。

大丈夫なのかなって、

職場ではもともとそんなに会話するほうではなかったが、それがさらに減ったように思った。





あー、気まずいんだな。





比べるなんて言い方は大袈裟だけど、佐藤くんのときとの違いをかんじていた。



そうだよね、普通気まずいんだよね。



と、むしろ妙な安心感を感じた。








そして1週間がたった週末の飲み会。





わたしは別で予定があったので、後から参加をした。




やっぱり多少の気まずさを感じつつも、普通にしていたと思う。







そしてまた終電で解散。





各々次の日はやくからの予定があることも知っていたので、私も今回は大人しく帰ってすぐさま布団に入った。





すると、後藤くんからのライン。






酔った、と。





そして、





したくなった、と。







あなたこないだの謝罪なんだったのよと思ったが、なんだか笑ってしまった。





だからといっておいでというわけでもなく、明日はやいからと特に何もなくやりとりをして終わった。



漫画読み終わったから、続きをかしてほしいというと、


いつでもおいでといわれた。





素面なら手を出さないから、って。







その数日後の平日に、



いつくる?





ときかれたので翌日借りにいくことにした。





その日はご飯を食べて、漫画をかりて何事もなく帰宅。





ああ、このまま友だちになれるのかなとぼんやり考えたいた。