周りの反応
その後は、個人の仕事に合わせて夏期休暇をとったり出勤したり様々だったので、佐藤くんとも毎日会うわけではなかった。
最後に会った日に、じゃあ詳しくはLINEで、ということで別れた。
金曜日の夜、仕事の関係で近所の祭りの見回りにでかけた。
1時間ほどふらっとして、焼きそばを買って職場で食べることにした。
ちょうど一緒にいたのが、年の近い女性陣だったので、必然的に話題は恋愛へと流れた。
「大原さんの彼氏、同じ大学の野球部ですよね」
「同じって、W大?えーすごーい!」
「えーいいなあー。もうこの歳になったらどう出会ったらいいんですかね」
「本当ですよー。困ったなあ」
「でも、ちえさん佐藤さんと仲良しですよね?どうですか?」
「同い年だからね。てゆーか誰にでもあれじゃないですか」
「まあ、佐藤くんはちょっとねー」
上手にバレずにいられているのは、彼のキャラクターが大きかったなと思う。
まあ、この時はバレるとかの次元まで進展した仲でもなかったけど。
次の日の土曜日。
雨の中、大学の友人と出かけていた。あるスポーツをやっていたので、その同期10人で集まることになっていた。
ちなみに、その中の半数は結婚し、結婚の順に数人子どももでき、私以外の子たちは彼氏がいて同棲したり通い妻したりしていた。
10人いれば全員フルで集まることはそうないが、気の合う数人とは月に何度もあう仲だった。
ただ、少し前まで、いろんな意味で遊んでくれていた子たちにも、誘いづらさを感じるようになってかていた。
そんな中、適当に始まった彼氏と別れ、明日は同僚と旅行にいくんだという話を、促されて話す。近状報告である。
「いや、やめときなよ…」
口々に、いわれた。
私は頑なに、
「そういうんじゃないから。佐藤くんとは友だちだから!」
と、言い張っていた。
「じゃあ何もしないわけ?」
「いや無駄だよこいつしないしない詐欺だから」
「あー私たち何度もね、騙されたよね」
もはや吊るし上げ状態の中、会は終わった。
私自身が、常に信頼できぬ行いをしている上に、佐藤くんとのたった数ヶ月数回のあれこれがるので、不信感満載だった。
でも別に、良かったのだ。
なにがって、別に佐藤くんとどうこうなる気はないから。
一緒にいて楽しいからそれだけでよかったのだ。
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