その後の話。
それからなんとなく普通に話して、
またご飯に行ったり泊まりに行ったりを、さらに頻度を上げながら続けていた。
これってなんなのかなと、思いながらもなにもできずにいた。
出かけたいねといわれ、映画にいった。
手を繋ぎながらあるいて、17時から別の予定だった私にその後くる?と誘いをくれて。
これで付き合ってなかったらなんなのよ状態で、横浜デートをした。
買い物したり、ご飯を食べたり、ゲームセンターで遊んだりしながら夜のメインの花火まで時間を過ごしていた。
ねえ、言うなら今日でしょ。
そんな思いを抱えていたが、なにもないまま帰宅の電車にのる。
このまま後藤くんの家にいくので、帰ったら絶対聞こうと心の中で誓った。
自分の決心のせいか、家路の途中は沈黙が続いた。ああ、私本当にきけるのだろうか。
ぐるぐると悩んでいるうちに到着し、ソファでいつものようにぎゅっとくっついてくつろぐ。
何回か唇を重ねたあとに、後藤くんがじっとみつめてきた。
「どうしたの?」
「あのさ、改めて言うのも照れるんだけど」
「なに?」
「すき」
本当に照れくさくて、言葉がでず、でも嬉しくて、にやつく顔を隠すように後藤くんの胸に顔をうずめた。
「順番違っちゃったけど、付き合って」
この一言だけで、ああなんて真面目な人なんだろうと、また感じた。
当たり前の一言かもしれないけれど、私にとっては特別だった。
「うん」
そしてようやくお付き合いが始まった。
呼び方がかわったくらいで、関係に大きな変化はないが、そこからは半同棲状態で、あちらの家にいた。
元々、一人が好きで結婚なんてできないと思っていた私にとって、それはとてもすごいことだった。
ずっと一緒にいられる人なんだなと思ったし、それが幸せなんだと、この歳にして理解した気がした。
同じ出張にいくときに、駅まで手を繋いで歩く朝は、なんて幸せなんだろうと思ったし、
憧れていたような、いわゆる普通の恋愛や普通の幸せがそこにあるんだと思った。
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