わたし
正直に言おう。
わたしはモテる方だと思う。思っている。
少なくとも、モテないとか好かれないとか、そういったことで思い悩んだことはなかった。
いつもなんとなく、それなりの人に好かれ絶えたことはなかったから。
ある一定数の人種が好きとする容姿だという自覚があるし、それをどのように使うのが有効か知っている。
そういった人種の方が求めるものがなにかも経験からすっかり学んできた。
自信をもってお送りするその
わたし
は、
なのでモテるんだと思う。
ただ、当たり前だがそれはもはや私ではない。
私がプロデュースした、私という素材を使った誰かでしかない。
それでもいいと思っていた。
だって、それって好かれる努力でしょ。
そうして、
それ
をすきになってくれた人の望むように一生懸命頑張って合わせていくことが、望むままにしてあげることが愛なんだと思っていた。
本来、恐ろしいほどに根暗で人見知りで社交的の反対側にいるような私は、自分から働きかけることが大の苦手だ。
だから来るものを拒まず受け入れて、それで恋愛したつもりになっていたのかもしれない。
本当の根暗で人見知りで社交的の反対側にいるような私で勝負して、傷付くのも怖かった。
だかしかし、そんな私がいくら取り繕おうが、ガタがくるのは当然のことで。
わたしを好きになる人も、
それに合わせた愛をあげるのも、
すっかり嫌になってしまった。
ただ、そうしたときに、本当の私での恋愛の仕方を私はまるで知らなかった。
もう気付けば29になるというのに。
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